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ヒマワリ 

ブログ更新強化月間!

お題ケリ倒し企画☆最終編!!




ヒマワリ


窓から見える景色は変わらないけど、季節は確実に動いている。
季節が変わるという事は、自分も同じではないんだろうか。

ツトムはぼんやりとそんなことを考えながら、美術室から見える中庭を眺めた。

美術室は中庭に面していて、砂地と石と針葉樹が、年中緑色をたたえてひっそりと息づく。
窓も下の方に付いている為、日当たりもあまり良くない。
辛気臭いと言えば辛気臭いこの場所で、ツトムは一人、椅子に座っていた。

ツトムは中学生だ。部活はスポーツ系だし、美術とか芸術めいたことと自分は無縁。
それなのに美術室にいるのは、授業中に提出する予定の作品が完成しなかったためだ。

平日、一日だけ部活のない曜日がある。本来なら帰宅すべきであるはずのこの日、
残されて作品を提出してしまうことになった。

「ついてねえ」
「しけてんな!」

その時、一人の男子学生が美術室に入ってきた。

「ヒロシか。遅いよ」
「おお。とっとと終わらせてしまおうぜ」
「先生は?」
「会議があるから、自分達でしてろってさ。終わったら様子見に来るらしい」
「帰っちゃおうかな」
「美術は課題点が大きいって、お前も知ってるだろ」
「お前みたいな優等生が、居残りとか」
「俺のはただの推薦狙い。つうか、俺の壊滅的な美術センスを知ってて言ってるのか」
「まあ、俺のセンスも負けねえ」

ツトム達はがちゃがちゃ言いながら道具を出してきて、作品をテーブルの上に広げた。
水入れに水を入れ、バシャバシャ音を立てながら筆を洗い、紙に色をのせていく。
照れもあり、最初は色々喋っていたものの、
そのうち言葉少なになり、終いには無言で筆だけを走らせていく。
画用紙の白い部分が、次第に色で染まっていった。

「なあ、お前のそれ、クマ?」
「お前分かってて言うなよ。ヒマワリだよ」
「知ってた」
「お前な」
「中だけしか塗ってないからかなあ。花びらは何でないんだよ」
「ほとんど付いて無かったんだ」
「花びらの付いてないヒマワリが、夏の思い出っておかしくね」
「まあ、俺のはこれでいいんだ」

ツトムの作品は、青空を背景に描かれたヒマワリだった。
しかも、花が終わりかけて、茶色い種の部分が主で描かれていた。
このヒマワリをモチーフにしたのは、訳がある。
ツトムの家の庭には、少しの畑があって、その向こうにはいつもヒマワリが咲いていた。

毎年花が落ちる頃、種をとった。
その、種を取るのが、ツトムは好きだった。
種を取る作業も楽しかったし、
その種を飼っていたハムスターにあげるのが本当に楽しかったのだ。
夏と言えば、ヒマワリの種。
でも、去年の秋にハムスターが死んで、今年は種を取らなかった。
中学になって部活が忙しかったこともあるけど、
夏の終わりに庭のヒマワリを見た時、胸が少し痛んだ。
種を取らないヒマワリは、だんだん萎れて、そのうち茶色くなっていった。

来年は、種を取ろう。
ハムスターも、また飼ってもいい。

ツトムの気持ちが、来年も一緒かどうか、それはツトムにも分からない。
ただ、今年のヒマワリは、この絵の中で残しておく。

「てか、やっぱクマじゃね?」
「クマだな」

残念ながらツトムの表現力では、種の部分の複雑さは表しきれていない。
だが、茶色く頭の大きなヒマワリは青い空の下、しゃんと立っていた。









終わり







一月はBLOG強化月間「お題ケリ倒し企画」これにて閉店!

ナッカンは閉店しましたが、みなさんからの力作があれば、受け付けますので、
お題のコメント欄にてお知らせください。

一ヶ月間、本当にありがとうございましたああ・・・・!!!
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コメント

かなり遅くなりましたが、
全て書き終えました。

megane #JalddpaA | URL | 2012/02/05 23:51 * edit *

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