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青空 

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青空


汗が胸を伝う。
バッターボックスが、遠く感じる。
「バッチ打てる~!」「飛ばせー」
遠くの野次がぼんやりと耳に入った。

後、1人。
腰を落とし、球の行方を伺う。
このバッター、先程は四球だったが、その前はレフト越えをしている。
センターとレフトの間を狙われるとも限らない。
球が当たった瞬間、走る・・・。

ツトムが配属する野球部では、地区予選の夏季大会が行われていた。
秋には引退することになっている。
実質、これが最後の公式戦だ。

対戦は4対3で、1点差でリードしている。
7回裏の相手チームの攻撃。ツーアウト、ランナーは2塁。
同点になれば、次の回に入る。逆転されれば、負け。

ツトムは外野手だ。
守備範囲の広さをかわれ、センターを任されている。
長距離よりも短距離の方が得意だ。
とにかく予想して、走る。
ピッチャーが球を投げた。瞬間、カンッと、大きな音が響いた。
ツトムの予想通り、球はレフト方向へ伸びていく。
レフトの手前で落ちた。
ヒットだ。

2塁ランナーは3塁を回っている。
一方の打者は1塁を蹴った。
今からホームは間に合わない。ツトムは中継に入り、2塁へ送球する。
ランナーアウトで、スリーアウト。
だが、2塁ランナーが先にホームインしていたので、4対4の同点となる。
次は、ツトムの所属チームの攻撃。

胸を伝う汗の存在は、いまや気にもならなくなっていたが、
ベンチに向かい走ると、少しだけ風がおこる。
そのささやかな涼を味わい、幾分元気になる。

ベンチに入りながら、ツトムはグランドを振り返った。
黒い土に、緑の芝が萌える。
その向こうにはスタンドや金網。
そして、それらの上に綺麗な青空が広がっていた。

空が・・綺麗な青をしている。

ツトムはふいにその事実に気が付いた。

どこまでも、どこまでも澄んだ、綺麗な空。
吸い込まれそうな、青空。
雲の一つも見えない。

ベンチに腰掛、汗をぬぐい、飲み物を口にする。
今、自分がいるこの場所の上には青空が広がっている。
視界の端にその青さを映しながら、
いつか。ツトムは思った。

いつか今日のことと共に、
この青空を思い出すことがあるんだろうか。

ツトムは前を見た。
最終回。
負けたら夏が終わる。

ボールバック・・・。
プレイ。
審判の声が響いた。





終わり





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