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隣の席 

~1月はブログ更新強化月間!~

「お題ケリ倒し企画参加中!」





お題2 「隣の席」


駅前の市民ホール前では、足早に人が通り過ぎて行く。

「早く来過ぎたかな・・・」
ツモムはそう思いながら、ホールのエントランス前で佇んでいた。
「お~。待たせた?」
「いや、そうでもないよ」
程なくして、友人の一人がツトムの前に現れた。
「寒いからさ、中に入ってようぜ」
「だな」

今日は、ツトム達の住む街の市民劇場が、招待公演を行うことになっていた。
いつもはそこそこ賑わうのに、季節柄か時間が早いのか、まだ人がまばらだ。

チケットをもぎってもらい、中に入る。
演劇に特に興味があるわけではないが、小さい頃からの習慣で、
中学になった今でも、時々こうして市民劇場を観に来る。
それに、友達は親がチケットを持っているとかで、いつもツトムを誘い、
ツトムの方も、別段断る理由が無かった。

席は特に決められておらず、自由だった。
ツトム達は、中央のやや後ろ側の席に座ることにした。
先に友人が席の中側に入った。ツトムは、通路から一つ席を空けて、腰掛けた。
友達が後から一人、来ることになっていた。

「俺、ちょっとトイレ行って来るわ」
友人は席を立ち、ツトムの前を通って通路に出た。
「お~」
ツトムは特にトイレに行きたい訳では無かったので、そのまま席に居た。
することも無く、ぼんやりと非常口のマークを眺める。
少しづつ会場が混み始め、席が次第に埋まってきた。

その時、ツトムが開けて座った通路側の席に、一人の少女が、座った。
(中学生・・。ひとりかな?)
その子は制服を着ていたので、市内の他の中学生であることが分かった。
他の席が空いていない訳ではないが、通路側がいいのだろうか?
何故わざわざ、隣の席に座ったのか。
(待ち合わせ?)
ツトムの隣に座らないといけない理由がよく分からない。それに・・
(もし待ち合わせなら、友達が来て座るよな)

「あの。まだ、誰か来ますか?奥につめますよ?」
ツトムは女の子に声をかけた。
席は通路に区切られ、横列に10席ほどで設けられており、中側に3、4つ空席があった。

「えっ。あっ・・。」

女の子は、その時初めて気がついたように、ツトムの方をみた。
無意識に座ってしまったのか、一人で来ていたのか、誰かと間違えでもしたのか。
女の子はツトムと目が合うと、慌てて立ち上がった。

「ご、ごめんなさい。誰か座られるんですか?」
「いや、詰めるから大丈夫ですよ」
「いえ、あの私、大丈夫ですから」

その子はそう言うと、席を立ち、たたたっと、走り去ってしまった。
「え・・・?」
(何だったんだろう・・・。)
女の子が立ち去ったので、
ツトムの隣の席は、また、元のように背もたれの方へ、小さく畳まれた。

(声を掛けない方が良かったんだろうか。なんだか・・)
「悪いことしたような気になる・・」
「何が?」
「え・・あっ。いや、何でもないよ」

トイレから戻ってきた友達が、ツトムの前を通り過ぎた。
「だいぶ人が増えてきたな」
「だな」

友達が話し始めたので、ツトムはすぐにさっきの女の子の事を忘れた。
開始前のベルが鳴る。
益々増え始めた人混みの中、ツトムの隣の席は、相変わらず小さく畳まれたままだった。


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コメント

ツトムくんと少女、再開できたのかな?

サビたん #- | URL | 2012/01/12 22:44 * edit *

どうでしょうね~(^^)えへへ
いつもありがとうございます。

くいん #tHX44QXM | URL | 2012/01/13 14:02 * edit *

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